まずは一番シンプルなはんだ付けでRCAケーブルを作ってみよう
初めてのはんだ付けに挑戦してみませんか?
RCAプラグはネジ止め式のものもありますが、やはりはんだ付け方式のものが主流になります。
一度できるようになれば、ケーブル自作の幅が一気に広がります。
今回は、失敗も恐れないよう、オヤイデ電気取り扱いの中で比較的安価で、且つコストパフォーマンスに優れた部材を使用してRCAケーブルを作ってみました。
今回使用する部材
・OYAIDE/NEO SLD-ZERO 平行 (直営店限定商品) ×1m
・Amphenol ACPL-CRD はんだ付け式RCAコネクター 赤 ×2
・Amphenol ACPL-CWH はんだ付け式RCAコネクター 白 ×2
用意する工具

・HOZAN N-838 ヘビースニップ (もしくは同等に金属用にも使えるはさみ)
・ペンチ
・ニッパー(金属用)
・ピンセット
・テスター (音でチェックできる機能のものが好ましいです)
・はんだごて (高めの温度が細いこて先で使えるもの推奨)
・はんだ
・ヒートガン (収縮チューブの収縮用)
・バイス (各プラグ固定用)
作業手順
※製作にあたり個人の責任で行ってください。


まず平行接着されているケーブルを、端から10cmほど割いて分けます。
そして分けたらRCAプラグのハウジングを外し、ハウジングと透明な絶縁体を割いた先端に通しておきます。
この時、LRで色分けする用のブッシュの赤白を両端でちゃんと同じ線どうしになるよう気を付けましょう。
次に、ケーブルを剥いていきます。
ケーブルの先端から6mmほどを剥き、出てきたシールドをほぐして束ねます。
この時シールドをほぐして束ねないと束が太くなり、この後の工程で不便になるため、きちんとほぐして束ねましょう。
次に芯線を2mmほど剥いていきます。
上図のように各はんだ付けする位置や長さがあっていれば上出来です。
そしてそれを4本分繰り返します。
剥いた線にそれぞれ予備はんだを行います。
予備はんだとは、ケーブルを任意の場所にはんだ付けする前に、ケーブルにあらかじめはんだを染み込ませる、
またはプラグ側のケーブルを付ける位置にあらかじめはんだを盛っておくことを指します。
これによりはんだ付けを行う際に、銅線の束がなるべく崩れることなくあてがうことができ、作業がしやすくなります。
今回は、束ねたシールド線と先端の剥いた芯線の束にはんだを溶かして染み込ませます。

プラグ側にも予備はんだを行います。
今回の作例では、プラグはホット側のみ予備はんだをしていきます。このとき、写真を参考にはんだを流し込み過ぎないようにしましょう。流し込み過ぎて塊になってしまうと、この後はんだ付けを行う際に溶けるまでに時間がかかり、熱の加え過ぎでケーブルの絶縁体が溶けてしまったり、プラグの絶縁体が変形してしまう、といった失敗に繋がります。
またこの段階やひとつ前のケーブルに染み込ませる段階で滑らかな形に仕上がらず、丸く塊になってしまうとしたら使用されているはんだに対してはんだごての出力そのものが足りていなかったり、こて先が劣化しすぎてしまっている可能性があります。

予備はんだがそれぞれ完了したら、プラグのクランプをそれぞれペンチなどで広げ、棒状になったケーブルの束ねたシールドをプラグのコールド側の穴に通し、写真のようにケーブルをプラグにあてがいます。
この時、今一度必ずハウジングと、透明な絶縁体をケーブルに通しているかチェックしましょう。
はんだ付け前に通すべきものを通し忘れるのは、初心者に限らず慣れてきてもやりがちなうっかりミスです。確認する癖をつけておきましょう。
プラグをバイスなどで固定し、ホット側からはんだ付けしていきます。
利き手ではんだごて、逆の手でピンセットを使って芯線をプラグのホットをはんだ付けする部分に押さえます。
そして抑えた状態ではんだごてを押し付け、ケーブルとプラグの予備はんだそれぞれを同時に溶かしてはんだ付けします。
この時に、なるべくはんだの芯線がきちんとプラグ本体の電極にあたるような形で押さえつけ、はんだごてを離してその状態を維持しながら冷え固められるとベストです。

今度はうまくケーブルの癖を御しながらプラグの固定を裏返し、コールド側のはんだ付けをします。
コールド側では利き手にはんだごて、逆の手ではんだを持ち、棒状の束ねたシールドが通っている穴の根元へはんだを流し込むようにしてはんだ付けをしていきます。
この際も、なるべく盛りすぎた塊にならないように素早く最低限の量を流し込みます。

4箇所分はんだ付けをし終えたら、飛び出ているコールド側の部分をニッパーなどで切ります。
しっかり予備はんだによる線束への浸透と、はんだ付けができていればこの部分は切り落としてしまって問題ありません。
切る際にはんだ付けがぐらついたり、写真のようにきれいな断面になっていない場合ははんだを足すなどしてしっかり固定されるようやり直しましょう。

ここまでの工程を終えたら、プラグのクランプ部分をペンチなどで絞めて、ケーブルをしっかり固定します。
しっかり剥く長さが合っていて、はんだ付けの熱の影響なく加工できていればクランプの位置には丁度外側の何も剥いていない被覆がかかった部分が来て、締めることにより強固に固定することができます。ここがきちんとできるかどうかがケーブル自作において耐久性にかかわります。
今回の場合はケーブルが比較的細いため、写真のように両側のクランプが折り重なるような形になります。
そしてクランプを絞めたら、絶縁体を通し、プラグのハウジングを閉じます。
これで一通りの加工は完了しましたが、最後にはしっかりとテスターで導通を確認しましょう。
プラグから見たピンとピン、リングとリングの導通は勿論ですが、絶縁されていなければいけないピンとリングが導通していないこともきちんと確かめましょう。
はんだの盛りすぎや、絶縁体が熱によって溶けてできた穴などで導通してしまっているなどの失敗は最初のうちは起こりがちです。そういったミスが無いかどうかもテスターでチェックします。

テスターによるチェックでも問題が無ければ完成です。
