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FTVS-910

飽くなきまでのピューリティ

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概要

オヤイデ電気には、確固たる設計思想に基づいたケーブル創りの原則が存在します。そこでは妥協という2文字はいっさい許されません。つねに挑戦し続けることで、優れたパフォーマンスを追求するオヤイデ電気は、革新的なアイデアと、従来に例をみない斬新なコンセプトで製品を生み出してきました。こうした姿勢を継承しながら、私達は栄えある伝統を造り上げてきました。2005年、金属の中で最も高い導電率を誇る純銀を用いた同軸ケーブル(FTVS-408)の限定生産を試みました。

当初この試みは、限定生産という枠組みの中でのテストケースでしたが、あまりの反響にレギュラー製品化を果たしました。 この試験販売は、純銀というレアメタルを使用するケーブルのプロジェクトとして結実し、オヤイデのケーブル作りの将来を方向付ける第一歩となったのです。そして3ヶ月後、 このコンセプトはさらに進化を遂げ、より洗練されたFTVS-510が誕生しました。

FTVS-510は、銀の精錬精線工程をさらに綿密化し高純度化すると共に、絶縁体、シールドなどすべてを再設計し、純銀同軸というカテゴリーを樹立しました。そして2008年、満を持してツインナックス・レイアウトの”FTVS-910”がついに登場します。高度に磨き上げられた精線技術は、3年という歳月を経てさらに進化を遂げました。高いユーティリティに毅然とした存在感と卓越したパフォーマンスを備え、瞬く間に誰をも魅了します。

ブリリアントな輝きを放つシルバーコーティングメッシュ。”FTVS-910”が表現しようとする限りないトランスペアレンシィを代弁します。デザインは機能の延長線上にあり、そのたいぐい希なる美しさは必然性的に生まれたのです。”FTVS-910”を語る上でもっとも特徴的なのは、中心導体に採用された5N純銀です。高度な生産管理の下高周波電気炉による連続鋳造、19工程にも及ぶ冷間圧延、2度に渡る焼鈍作業、ダイヤダイスによる引き抜き加工、スキンパス処理などを行い、純度だけではなく結晶組織にも配慮された高品位銀線です。

これにより、応力歪みがなく整列結晶化された導体が完成しました。絶縁体には、絶縁体中最も誘電率の低い、PFAを採用。また充填層に対してもオヤイデらしさがみなぎります。誘電率の低下を実現するフォームPEを充填層に設け”FTVS-910”の伝送特性の向上に大きく貢献します。さらに、シールドに至ってはすでに”FTVS-510”でその高いシールド性能が実証済みの、2レイヤー・ハイブリッド・シールディングを継承。

ワイドバンドのノイズをプロテクトすると共に、微弱なスパークノイズに対してもシールド性能を発揮します。すべてにおいて理論的かつ建設的に作り上げられた”FTVS-910”。インピーダンスは110オームに設定されています。これはアナログ伝送はもちろんのこと、デジタル信号(AES/EBU)においてもその性能を如何なく発揮することを意味します。

特徴

導体

高速伝送を実現するために選択された最良の素材。純銀。”FTVS-910”は中心導体に金属中で最も導電率(銀 61e6 銅 58e6 σ[S/m])の高い純銀導体を採用しています。導電率からもその優れた特性を察知すること可能ですが、純銀は高純度銅よりも遥かに電気特性が優れるレアメタルなのです。素材自体の価格差が、実に70倍以上(7/08’現在)というプレミアム・マテリアルをコアに持つ”FTVS-910”。

その精錬・精線方法にも匠の技と、品質に対する深い造詣が冴えわたります。インダストリアルグレードとは一線を画す、ジュエリーグレードの純銀をインゴットの状態から加工に入ります。”FTVS-910”はインゴットの状態ですでに5N態のバージンマテリアルを、セラミック製のルツボで溶解させます。しかも、このルツボはワンショットごとに交換され、常に新しい状態の物が使用されます。これらすべて工程は高周波電気炉の中で作業され、しかも作業中は不活性ガスを炉内に封入し、酸素との遮断を図ることによって不純物の混入を防ぎます。

さらに溶解後、直径15mmの丸棒に成型された純銀は、19工程にも及ぶ冷間圧延工程を経て線状に形成されます。その後、いよいよ精線工程に入りますが、ここでも匠の技が生かされます。急激なダウンサイジング化を嫌い、数回に及びダイヤモンドダイスによる低速引き抜き加工を行います。約1.05mmに揃えられた銀線は、導体の表面を削り平滑化させるスキンパス加工を行い、導体の表面を鏡面化します。しかし、作業工程はここで終了するわけではありません。

引き抜き工程により発生した結晶内のストレスを緩和させる為、2度にわたりアニール処理が施されます。一定温度に保たれた低温電気炉の中で、ゆっくりと時間をかけケーブル内に発生した応力歪みを緩和します。この間、電気炉内は不活性ガスを充填させ酸素との結合を防ぎ、まったく不純物を含まない高純度純銀線が完成します。さらに、完成した銀線はすぐさま窒素ガスを封入しパッケージングされ、絶縁体を付ける工程まで大切に保管させます。

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絶縁体

信号を伝送する上で、導体はもっとも重要な要素です。しかし、ケーブルとしての伝送特性を高めるためには、絶縁体も重要な要素です。”FTVS-910”は、絶縁体による信号の損失を軽減するために、最も絶縁特性に優れたPFA(フッ素樹脂)を使用。PFAは、現存する樹脂絶縁体の中でも最も誘電率の低い物質です。さらに充填層にもオヤイデのケーブルに対する造詣がうかがえます。発泡させることにより空気を含ませたフォームPE(ポリエチレン)を充填層にマウント。充填層による誘電率の上昇を防ぐとともに、ケーブルとしての柔軟性を高めます。さらに、この異種マテリアルによるレイアウトは電気的特性の向上のみならず、内部発生する振動を共振点を変えることにより素早く減衰させます。

3レイヤー・ハイブリッド・シールディング

追い求めたのは限りないトランスペアレンシィ。”FTVS-910”から奏でられる静寂感は、複雑化するシステム環境から発生するあらゆる周波数帯域のノイズに適応させるため、シールドデザインがなされました。1層目の半導体層は、静電気ノイズの抑制を促すと共に、電磁波に対して高いシールド性能を発揮。2層目のカッパーフォイルシールドは、100%の遮蔽率を誇り高周波ノイズに対して有効性を発揮します。3層目のシルバープレーティングメッシュシールドは、90%の遮蔽率に設定されています。メッシュシールドは低周波帯域のノイズに有効性を発揮しますが、さらに素線をシルバープレーティングすることにより、高周波帯域にも高いシールド性能を発揮します。これは信号のスキンエフェクト効果を利用した結果です。

半導体層

PFAは、すぐれた電気特性を持つ絶縁体ですが、同時に最も静電気を帯電しやすい樹脂です。ケーブル内に信号が流れると微弱振動が発生し、静電気を帯電している物質はその振動によりコロナ放電をします。”FTVS-910”はこの問題を解決するために、充填層の外周にカーボンPE半導体層をマウント。これにより、PFAに帯電された電荷は、半導体層を通して解放されます。

外装

外郭にマウントされた透明ウレタンシースは”FTVS-910”の美しさを引き立たせるだけではありません。ポリウレタンシースは機械的な強度を持ち、温度変化による軟硬化することなく、常に一定の硬度を保つ素材です。さらにポリウレタン材は、衝撃吸収性に優れ弾性率も高いため、外部振動とのアイソレーションに大きく貢献します。デザインは機能の延長線上にあり、そのたいぐい希なる美しさは必然性的に生まれたのです。


製品仕様

品名 FTVS-910
導体 1.0mm 5N(99.9995%)純銀
絶縁体 / 充填層 フッ素樹脂(PFA)/ フォームポリエチレン(FPE)
シールド 導電性PE / 銅箔+銀メッキ銅(編組率90%以上)
外装 UVカットポリウレタン
インピーダンス 110 Ω
静電容量 72.1nF/Km
減衰量 74.5 dB/Km
導体抵抗 25 Ω/Km
外径 8.5mm
JAN CODE 4562112768118
荷姿 50mリール巻
定価 15,000円/m(税別)
発売年月日 2008年8月20日

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