NuForce社の超小型デジタルプリメインアンプ「icon」用純銀線スピーカーケーブル製作例 |
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| 米国のNuForce社(ニューフォース)はデジタルアンプの新鋭メーカーとして、2004年の設立以来、瞬く間にハイエンドオーディオ界にその名を浸透させることに成功しました。その理由は、同社の持つデジタルアンプの技術力が素晴らしいからに他なりません。そのスリムな外見とは裏腹に、その瑞々しいサウンドは広くオーディオファンの心を掴んでいます。
今までNuForce社では、20万円超えのモデルばかりを発売していたのですが、2008年夏、低価格のデジタルプリメインアンプ「icon」を発売しました。カラーバリエーションは4種類あります。
iconの外箱。ハイセンスなパッケージに、ニューフォースの遊び心が感じられます。
Iconの本体。高さ151mm/幅33mm/奥行き88mmの超小型のアンプです。縦置きだけでなく、横置きにも対応。縦置きの場合、上写真のように付属のシリコン製ベースにセットすればよし。シリコン製ベースの接地面積は幅80mm/奥行き90mm。パソコンのモニター脇などにも置けるくらいのサイズです。出力は12W。一瞬不安になりそうなくらい小出力ですが、実際のところ12Wあればかなりの音量で鳴らせます。なお、電源部は本体内蔵ではなく、ACアダプターです。
iconは名前からも想像できるように、iPodなどのポータブルプレーヤーとの接続を見込み、ミニピンジャック入力を備えています。また、ここ2年ほどで急速に認知されつつあるパソコンでの音楽再生を想定し、USB入力も備えています。その他、RCA入力を備えており、CDプレーヤーやテレビ音声などの入力にも対応。前面にはヘッドホン用ミニピンジャック出力も備えています。
iconには、当然ながらスピーカー出力端子があるのですが、このスピーカー出力端子がちょっと変わっているのです。ご覧のとおり、なんとスピーカー出力端子にLANジャック(8芯、規格名:RJ-45)を採用しているのです。LANコネクターは通常、パソコンの背面などに設けられ、パソコン間のネットワーク構築などに利用されているものですが、実はアキュフェーズのHSリンク、デノンのデノンリンクなど、ピュアオーディオや映像関連のデジタル伝送、さらには一部プロ用の音声編集機材の電源ケーブルにも利用されていたりします。ただ、LANジャックをスピーカー端子に採用した例はおそらくiconが初だと思います。設計者がどのような意図でLANを採用したのかは不明ですが、おそらくこの端子形状のコンパクトさと、ワンタッチで着脱できる操作性を意図してのものではないでしょうか。
そんなわけで、iconには、LANコネクターを端末に装着したicon専用のスピーカーケーブルが付属しています。長さは1.5m。なお、このスピーカーケーブルは、スピーカー側にバナナプラグがモールドにて装着されており、スピーカーとの接続も簡単に行えます。
前ふりが長くなりましたが、今回のお題は「icon用スピーカーケーブルを自作しよう!」です。付属ケーブルより高音質のものを自作しようというわけです。icon用スピーカーケーブル自作のポイントは、如何にLANコネクターをケーブルに上手に装着(圧接といいます)するか、です。 |
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〔iconスピーカーケーブル自作で使う材料〕 |
〔用意する工具類〕
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導体の被服処理 |
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1. 1.まず、導体に使う銀単線を1mで切断し、必要分(12本)用意します。 2.次に銀単線をポリマール「銀磨きクロス」という金属磨き布で磨きます。これで銀単線の表面に付いている酸化膜や汚れを取り除き、かつ銀単線表面を鏡面仕上げにします。一見、奇麗に見える銀単線でも、磨くとポリマールが黒くなります。それだけ眼には見えにくい汚れが付着しているということです。なお、この磨き作業は必ずしもやる必要はないのですが、導体表面の汚れを取ってやることで、高域が延び、音質面で有利になります。ポリマールはホームセンターや東急ハンズなどで売っています(2枚入りで500円程度)。 3. 3.次いで、銀単線をイラックスチューブに通します。銀単線をできるだけまっすぐにして、銀単線がよじれないように通していきます。 ※.力を入れすぎると、銀単線が上写真のようにぐにゃりと曲がってしまいます。このようになったら、銀単線を手でまっすぐに延ばし直してから、作業を続けます。なかなか通しにくい場合、接点導通剤を潤滑油代りに銀単線に塗布してやると、イラックスチューブと銀単線との摩擦が減り、銀単線を通しやすくなります。今回の作例ではたまたま手元にあったケイグ(DeoxIT DN5)を使いましたが、ケイグは薄い赤色をしているので、銀単線にケイグを付けすぎるとピンク色になる可能性がありますので、ごくわずか表面に付けてやるのがコツです。チタンオーディオオイルなど、無色の接点導通剤であれば着色の心配はないでしょう。
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導体の撚り合わせ処理 |
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1. 1.イラックスチューブ黒を被せた銀単線と、透明を被せた銀単線との各1本づつを、らせん状に撚り合せます。なお、この撚り線作業は必ずしも行う必要はないのですが、銀単線が複数ばらけたままだと格好が悪いので、撚り合せています。また、プラスとマイナスを撚り合せることで、導体に発生する電磁界を打ち消しあう効果があり、ノイズ感を減少させる効果もあります。 ※.黒と透明を撚り合せた銀単線の端末。撚り合わせのピッチは適当です。一概には言えないのですが、ピッチを狭くしすぎると、銀単線にストレスがかかり、音質に悪影響が出る可能性があるので、ほどほどのピッチで撚り合せるのがよいでしょう。 2. 2.次いで、撚り合せた銀単線を3本束ね、これら3本をさらに撚り合せます。この作例では3本を同一方向に撚り合せただけにしましたが、例えば3本を三つ編みにしてもよいでしょう。さらに根気のある人は、この作例の撚り方ではなく、例えばキンバーケーブルのブレイド方式やシュンヤッタリサーチのマトリックスジオメトリー理論を真似た編み方をするのも面白いでしょう。どうやって編むのかは複雑すぎてわかりませんが。 ※.黒・透明各3本を撚り合せた銀単線の端末の状態。 |
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メッシュチューブおよび収縮チューブによる被服処理 |
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1. 1.この撚り合わせた銀単線にメッシュチューブを被せますが、。その前にライターでメッシュチューブの端末を軽くあぶってやりましょう。こうすることで、メッシュチューブの端末が少し溶けて、糸同士がくっつきあい、バラけなくなります。なお、メッシュチューブあぶりすぎると燃えだすのでほどほどに。 2.複数の銀単線をセロテープなどで軽く束ねておいてから、メッシュチューブを被せていきます。複数の銀単線がばらばらのままだと、メッシュチューブを被せる際に、銀単線が引っかかってしまい、メッシュチューブをうまく被覆できません。メッシュチューブは伸縮性があるので、前述のように、通す配線材の端末さえバラけないようにしておけば、被服作業は簡単です。 3. 3.どんどんメッシュチューブを被せていきます。なお、メッシュチューブは、配線材に被覆することで膨らむため、被覆前に比べると2割ほど短くなります。したがいまして、被覆したい長さの配線材より2割ほど長めに用意する必要があります。例えば、この作例のように1mペアのスピーカーケーブルを作成する場合、メッシュチューブは両側分で最低でも計2.4m用意します。実際には切り損じとかも鑑みて、3m用意しておきましょう。それと、メッシュチューブを必要な部分だけに正確に被せるには、一旦メッシュチューブをケーブルに被せてから、必要な長さのところにマジックで印を付けるなり、ハサミで切れ目を付け、その後ケーブルからメッシュチューブを外し、印を付けた部分でメッシュチューブをカットします。そして、ライターで端末を処理してから、再度ケーブルにメッシュチューブを被せます。 4.ケーブルにメッシュチューブを被せた後、メッシュチューブの端末をテープで固定します。右写真はLANプラグ側の端末。メッシュチューブ固定用のテープはセロハンテープでもよいのですが、お勧めはテフロンテープです。テフロンテープはオヤイデショップでASF-110という名前で売っています。ASF-110は、伸縮性と密着性が強いので、ケーブルの端末処理にいろいろと使えます。また、厚みが非常に薄いので、ケーブルに巻きつけても、ケーブル表面に段差が生じにくく、非常に奇麗な仕上がりとすることができます。なお、ASF-110の使い方のコツは、テンションをかけながらケーブルに巻きつけることです。 5. 5.左写真はスピーカー側の端末で、スピーカーターミナルと接続するために、端末から10cmほどにはメッシュチューブを被していません。また、複数の銀単線がばらばらだと見た目に悪いし、扱いにくいので、黒・透明をそれぞれ撚り合せています。 6.次に、メッシュチューブをテフロンテープで固定した部分を含め、ケーブルの端末を収縮チューブにて被服処理します。これは、テフロンテープ留めの個所を隠して見た目を良くするためと、テフロンテープがほどけないようにするために行うものです。収縮チューブ処理の際、必要個所に収縮チューブを被せた後、近接して露出しているメッシュチューブ部分に濡れたタオルを巻きつけてから、ヒートガンで熱風を吹き付け、収縮チューブを収縮させます。濡れたタオルをケーブルに巻きつけることで、熱風でメッシュチューブが溶けるのを防止します。なお、熱風を吹き付け手段としてヒートガンがない場合はライターでも構いません。ただし、ライターだと時間がかかったり、収縮処理がまだらになってしまったりすることがあります。自作ケーブルを美しく仕上げるにはヒートガンを1本揃えておくことをお勧めします。ヒートガンはオヤイデショップで取り扱っています。 |
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メッシュチューブおよび収縮チューブによる被服処理 |
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1. 1.無事に収縮チューブを被せ終えたら、いよいよ最後の行程、端末にLANプラグを取り付けます。まず、端末に露出させた銀単線のプラス側3本・マイナス側3本を横一列に並べ、14mmの長さに切り揃えます。奇麗に並べるのに苦労すると思いますが、根気よくやってください。なお、切り揃えの際、LANプラグのガイドにあらかじめ銀単線を嵌めておくと、奇麗に切り揃えられます。 2.これが端末を切り揃えた状態。この後、LANプラグのガイドを銀単線に嵌めたまま、LANプラグに銀単線を慎重に挿入します。差し込みの際、それぞれの銀単線が隣接する銀単線と接触しないよう、平行を保って差し込みましょう。端末の銀単線が曲がっている場合、差し込み前にまっすぐに修正してきましょう。プラス(この作例では黒被服)、マイナス(透明被服)とがプラグ内で接触してしまうと、アンプの電源を入れた途端、スピーカーケーブルでショートが起こり、音が出なくなるか、最悪の場合、アンプが故障します。 これがLANプラグの圧着工具です。なお、上写真のものと違いますが同様の圧着工具はオヤイデショップでも扱っています。右写真は圧着工具のLANプラグ差し込み部分。LANプラグの電極に対応した圧接用の刃が確認できます。 3. 3.圧着工具にLANプラグを差し込み、LANプラグの電極と銀単線とを圧接します。操作はごく簡単です。 圧接後のLANプラグ。写真ではちょっとわかりにくいですが、LANプラグの電極と銀単線とがきちんと圧接されています。念のため、テスターで導通チェックしておきましょう。 |
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!!完成!!
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自作スピーカーケーブルをiconに差し込んだ状態。超小型アンプながらとてもフレッシュなサウンドに魅了されます。これに銀単線の自作スピーカーケーブルを組み合わせることで、高域の延びが向上し、かつ全帯域にわたり解像度が上がり、グレードアップと相成りました。 |
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